PREVENTION
予防医療
予防医療の大切さ
ワンちゃんやネコちゃんの健康を維持するためには、予防医学に基づいた管理が欠かせません。現代の獣医科学の進歩は、さまざまな疾病の予防に貢献しています。
ワクチン接種は、それぞれのワンちゃんやネコちゃんの成長段階に応じたタイミングで行うことが理想的です。
当院では成長を見守りながら、適切な時期に必要な予防策をご提案します。
避妊・去勢
避妊や去勢手術は、予期せぬ繁殖を防ぐと共に、特定の疾病を予防する重要な手段です。避妊に関しては注射による方法もあり、長期にわたって健康を保つことにつながります。避妊や去勢手術は真剣に検討することが飼い主の皆さまにとっての大切な責務です。わからないこと、不安に思う点があれば随時サポートいたします。安心してご相談ください。
避妊手術のメリット・デメリット
Merit メリット
- 生理(発情出血)がこなくなる
- 卵巣腫瘍、子宮腫瘍、子宮蓄膿症等の予防・治療
- 乳腺腫瘤の発生予防、切除後の再発予防
- 性ホルモン性皮膚病等の予防・治療
Demerit デメリット
- 約3割の確率で肥満傾向になり得る
- ごく稀に尿失禁を起こし易くなる
- 甲状腺機能低下症の発生率が高まることがある
去勢手術のメリット・デメリット
Merit メリット
- 攻撃性が和らぐ
- 尿マーキングをしにくくなる
- 精巣腫瘍を予防
- 前立腺肥大の予防・治療
- 肛門周囲腺腫の予防
- 鼠径ヘルニア、会陰ヘルニアの予防
- 性ホルモン性皮膚病の予防・治療
Demerit デメリット
- 約3割の確率で肥満傾向になり得る
- 甲状腺機能低下症の発生率が高まることがある
予防接種・ワクチン
ワンちゃんのワクチン
ワンちゃんのしつけで大切な3~12週齢に、他のワンちゃんと接触させるなどさまざまな経験をさせてあげることが大切です。そのためにも早期のワクチン接種をお勧め致します。
また、身近な環境にウィルスは隠れています。ワクチンの追加接種は継続しましょう。当院では高齢犬や過敏なワンちゃんへのワクチン接種については飼い主様と相談して、より安全に接種出来るようご提案しております。
狂犬病ワクチン
狂犬病は極めて危険な疾病です。犬だけではなくヒトを含め全ての哺乳類に感染する可能性があります。そして一度発症すると、ほぼ必ず死に至ります。日本では狂犬病ワクチンの接種と住居地の自治体への登録が、法律で義務付けられています。当院では、狂犬病ワクチンの接種と同時に各自治体への登録を代行しております。鑑札等は当日、受付にて発行できます(君津市・木更津市・富津市に限ります。他の自治体の場合は証明書を発行いたします)。初めての狂犬病ワクチン接種後は、年に1回の接種を必ず行いましょう。
ワンちゃんの混合ワクチン
混合ワクチンの接種は任意です。生後4ヶ月齢未満の接種では、接種時期によって接種回数が異なります。
スクロールできます
製品名 | ノビバック DHPPI+L |
---|---|
種類 |
ワンちゃん用 7種混合ワクチン |
①ジステンパー | ● |
②パルボウイルス感染症 | ● |
③パラインフルエンザ ウイルス感染症 |
● |
④伝染性肝炎 | ● |
⑤伝染性喉頭気管炎 | ● |
⑥レプトスピラ病 (カニコーラ型) |
● |
⑦レプトスピラ病 (イクテロヘモラジー型) |
● |
ネコちゃんのワクチン
産まれたばかりの子猫は、母猫から受け継いだ免疫があるので、さまざまな感染症から身を守ることができます。しかし、時間と共に免疫力は低下します。その際にワクチン接種をしておけば、各種疾病に対する免疫力を獲得する効果が期待できます。
ネコちゃんの混合ワクチン
混合ワクチンは、複数の感染症から愛するペットを保護する強力な予防手段です。初回のワクチン接種は、生後9週以降に行うのが理想的です。その後、生後初年度はさらに2回の接種が推奨され、翌年以降は年間1回の接種でペットの健康を維持することができます。
スクロールできます
製品名 | ピュアバックス3 | ピュアバックス4 | ピュアバックス5 |
---|---|---|---|
種類 | 3種混合ワクチン | 4種混合ワクチン | 5種混合ワクチン |
①汎白血球減少症(伝染性腸炎) | ● | ● | ● |
②ウイルス性鼻気管炎(FVR) | ● | ● | ● |
③カリシウイルス感染症 | ● | ● | ● |
④白血病ウイルス感染症 | ● | ● | |
⑤クラミジア感染症 | ● |
フィラリア症予防
フィラリアとは蚊を媒介にして感染を引き起こす寄生虫です。体内にフィラリアが入り込むと、最終的に心臓や肺動脈にも寄生し、循環障害から命の危険に関わります。主に犬の病気として知られていますが、猫やフェレットでの感染も少なくありません。
フィラリア症は発症してしまうと、完治が難しい病気です。犬では感染後数ヶ月の経過を経て症状が発現し始めます。重度の止まらない咳や腹水・血尿・喀血・食欲廃絶など、日々苦しむだけの姿が持続し命を奪います。
毎月の予防薬の投薬で、確実に守ってあげましょう。この地域では4月末~12月末までの予防期間を推奨しております。
ネコちゃんにもフィラリア予防を
フィラリアは、ネコちゃんも感染する可能性がある病気です。発症すると主に咳・呼吸困難などの呼吸器疾患を生じます。状態が悪化すると急性肺障害を引き起こすリスクもあります。
ネコちゃんにおけるフィラリア症の感染率は全国平均で約10%(10頭中1頭が感染)であり、関東地方では約5%という報告がありますが、房総地域では少なくないと判断しております。
ノミ・マダニ予防
ノミやマダニは屋外に多く生息しており、近隣の外猫が敷地内に運んでも来ます。それが人に付いて自宅内へ運んでしまう為、「外へ出ない」という理由では寄生は止められません。実際、当院の患者様でペット飼育禁止のマンションで、1年以上外出していない環境の3階居住のウサギさんや、別棟の7階居住のワンちゃんにノミが大量寄生して診察相談がありました。
またノミやマダニはワンちゃんやネコちゃんに寄生、人間にも感染してアレルギーを発症させる可能性もあります。薬などを使いながら駆除と予防に努めましょう。
ノミ
ノミで注意しなければいけない点は、動物の身体に付着したノミを一度屋内に持ち込んでしまうと、1匹のノミから大量の卵が産まれ、これらは半年以上卵のまま生存出来る事が知られています。13℃以上の環境があれば卵から幼虫、成虫へと成長し、再び増殖していきます。
昔と違い気密性の良い住宅が増え、一年中暖かい気候がある為、1年を通してノミの被害が続いております。年間を通しての投薬をお勧めいたします。
マダニ
マダニは草地や森林などに生息しているのが一般的です。草の先端や葉の上で待ち構え、二酸化炭素を感知するセンサーのような器官を使って、ワンちゃんやネコちゃんが近づくのを感じ取ります。そして近づいた瞬間に寄生し、吸血活動を行います。
また、マダニはヒトに対しても危険な感染症を運んできます。近年よく知られるようになった「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」とういうウィルス感染症で日本でも何名もの方が命を奪われています。これ以外にも「日本紅斑熱」や「ダニ媒介性脳炎」などの感染症も媒介します。
健康診断や検査で、ペットたちの健康を守ることができます
大切なペットの健康を守るうえでは、病気の早期発見・早期治療が欠かせません。
1年に1回(シニア期を迎えたら半年に1回)の定期的な健康診断をお勧めいたします。